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東京湾の環境施策

平成1312月に内閣官房都市再生本部で決定された都市再生プロジェクト「海の再生」を東京湾で推進するための協議機関として設置された東京湾再生推進会議により、東京湾再生のための行動計画(第一期)が平成153月に策定された。行動計画(第一期)では、当面10年間を目標として、「陸域負荷の削減」及び「海域における環境改善」並びに「モニタリング」の実施を行うこととなり、各機関が連携して総合的かつ計画的に取組を進めてきた。平成24年度が行動計画(第一期)の最終年度となったため、これまでの取組状況とその分析・評価(期末評価)を取りまとめるとともに、これらをふまえた新たな今後10年間の東京湾再生のため平成255月に行動計画(第二期)が策定された。

ここでは、その会議でまとめられた東京湾の水環境改善のための施策「東京湾再生のための行動計画」について、説明する。

  1. 東京湾の水環境の現状
  2. 東京湾再生のための行動計画(第一期)の取組と今後の展開
  3. 東京湾再生のための行動計画(第二期)の基本的な考え方

1.東京湾の水環境の現状

東京湾は、後背地に大きな人口集積を有する閉鎖性海域であるため、湾内へ流入する窒素・リン等による富栄養化が進行し赤潮や青潮等の発生がみられ、生息生物に悪影響を及ぼしている。汚濁負荷量を発生源別にみると生活系の汚濁負荷量が7割近くを占め、COD(化学的酸素要求量)の環境基準達成率は昭和61年度からほぼ横ばい状態となっている。
また、干潟・浅場などの埋立により、生物が棲みやすい環境や自然浄化機能が減少していることや、漂着ゴミなど沿岸域の環境の悪化も問題となっている。
行動計画(第一期)の期間では、東京湾の底層の溶存酸素量(DO)に明らかな改善傾向は認められなかったものの、化学的酸素要求量(COD)、窒素、リンの発生汚濁負荷量は着実に減少し再生された浅場や干潟で生物の生息が確認されるなど、取組に対する一定の成果が認められた。

2.東京湾再生のための行動計画(第一期)の取組と今後の展開

2-1 第一期計画の目標

快適に水遊びができ、多くの生物が生息する、親しみやすく美しい「海」を取り戻し、
首都圏にふさわしい「東京湾」を創出する。

当該目標の達成状況を判断するための指標を「底層のDO」として、具体的な目標を「年間を通して底生生物が生息できる限度」とした。

2-2 第一期計画の取組とその結果

第一期計画において、陸域からの汚濁負荷削減方策、海域における環境改善対策、東京湾の環境モニタリングが実施された。その結果、流入負荷量の削減や、干潟・浅場の造成などによる生物種や個体数の増加などの改善が認められたが、目標達成指標である「湾内の底層DO(溶存酸素量)」に明らかな改善傾向が認められなかった。

2-3 第二期計画への課題

第一期計画の実施から以下の課題が明確になった。

@第一期行動計画の評価指標では評価できない環境施策や行動が多くあり、よりきめ細やかな評価指標の設定が必要である。
A東京湾の環境改善は短期間で達成できるものではなく、長期的視点で粘り強く取組を継続し、改善に向けた活
動や行動の輪を広げる工夫が必要である。

3. 東京湾再生のための行動計画(第二期)の基本的な考え方

3-1 第二期計画の目標

快適に水遊びができ、「江戸前」をはじめ多くの生物が生息する、
親しみやすく美しい「海」を取り戻し、
首都圏にふさわしい「東京湾」を創出する。

(第一期の目標に赤線部を追加。「江戸前」とは、東京湾全体でとれる新鮮な魚介類と定義)

3-2 重点エリア及びアピールポイント

特に重点的に再生を目指す海域として重点エリアを定めるとともに、重点エリア内に市民に分かりやすいアピールポイントが選択された。施策による改善の効果を身近に感じてもらう場所として、第一期と同じ7海域が設定された。

>>重点エリア及びアピールポイント

3-3 計画期間

平成25年度から10年間

3-4 目標達成のための施策の推進

目標に掲げた親しみやすく美しい海を実現するために、水環境改善のメカニズムを踏まえ、効果のある施策を実施し、モニタリングにより明確な効果の検証を行う必要がある。

【陸域における汚濁負荷削減のための施策】

 ○水質総量削減の推進
 ○汚染処理施設の整備・普及
 ○雨天時における流出負荷の削減
 ○河川の浄化対策
 ○面源から発生する汚濁
 ○浮遊ゴミなどの回収 など

【海域における環境改善のための施策】

 ○干潟・浅場・藻場などの保全・再生・創出
 ○汚泥浚渫と覆砂の実現による底質の改善
 ○深堀跡の埋め戻し
 ○生物共生型護岸への整備・改修
 ○貧酸素水塊および青潮発生メカニズムの解明および有効な対策の実施 など

【東京湾のモニタリング】

 ○東京湾環境一斉調査の実施
 ○モニタリングポストや海洋レーダー、調査船による水質・底質調査、赤潮・青潮調査、生物調査 など