
平成13年12月に内閣官房都市再生本部で決定された都市再生プロジェクト「海の再生」を東京湾で推進するための協議機関として、東京湾再生推進会議が平成14年2月に設置された。
ここでは、その会議でまとめられた東京湾の水環境改善のための施策「東京湾再生のための行動計画」について、説明する。
- 東京湾の水環境の現状
- 東京湾再生に向けた目標
- 目標達成のための施策の推進
- その他
1.東京湾の水環境の現状
東京湾は、後背地に大きな人口集積を有する閉鎖性海域であるため、湾内へ流入する窒素・燐等による富栄養化が進行し赤潮や青潮等の発生がみられ、生息生物に悪影響を及ぼしている。汚濁負荷量を発生源別にみると生活系の汚濁負荷量が7割近くを占め、COD(化学的酸素要求量)の環境基準達成率は昭和61年度からほぼ横ばい状態となっている。
また、干潟・浅場などの埋立により、生物が棲みやすい環境や自然浄化機能が減少していることや、漂着ゴミなど沿岸域の環境の悪化も問題となっている。
2.東京湾再生に向けた目標
目標
快適に水遊びができ、多くの生物が生息する、親しみやすく、美しい「海」を取り戻し、首都圏にふさわしい「東京湾」を創出する。
重点エリア及びアピールポイント
特に重点的に再生を目指す海域として重点エリアを定めるとともに、重点エリア内に市民に分かりやすいアピールポイントを選択した。
>>重点エリア及びアピールポイント
計画期間
平成15 年度から10 年間
3.目標達成のための施策の推進
陸域負荷削減対策
- 陸域からの汚濁負荷削減のための総量削減計画の実施と効果的な事業施策の実施
- 汚水処理施設の整備・普及及び高度処理の促進
- 下水道高度処理については、新たに概ね20 処理場での供用開始
- 雨天時における流出負荷の削減
- 概ね10 年以内に合流式下水道からの排出BOD汚濁負荷量を分流式下水道以下へ
- 河川の浄化対策
- 河川浄化施設等の有機汚濁負荷対策、湿地や河口干潟の再生に伴う栄養塩の削減
- 面源から発生する汚濁負荷の削減
- 間伐の実施、複層林の造成、貯留・浸透施設の設置等により雨水の流出を抑制
- 浮遊ごみ等の回収
海域における環境改善対策
- 海域の汚濁負荷の削減
- 汚泥浚渫、良質な土砂を用いた底質の改善(覆砂)等
- 清掃船等による海面浮遊ゴミ等の効率的な回収、赤潮回収技術の開発や回収の実施
- NPOや漁業者等による海底ゴミの回収や海浜・干潟の清掃活動
- 海域の浄化能力の向上
- 現存する干潟や藻場等の保全、干潟・浅場・海浜・磯場の再生・創造、相互ネットワーク化
- 生物付着を促進する港湾構造物等の整備、底生生物等の生息場の創出を目指した緩傾斜護岸への改修、礫間接触護岸、エアレーションの導入等
- 青潮の発生原因のひとつとされている深堀跡の埋め戻し
- 風力や波力等の自然エネルギーの活用を含め、水質浄化施設等の整備に関する検討や技術開発
東京湾のモニタリング
- モニタリングの充実
- 底層のDO及び底生生物についてのモニタリングの充実化
- モニタリングポストや船舶等により海潮流及び水質のモニタリングの強化
- 人工衛星により赤潮等の挙動をリアルタイムで把握
- モニタリングデータの共有化及び発信
- 東京湾環境情報センター等、関連情報を集約したWebサイトの整備と相互リンク
- 市民のモニタリング活動
- 地域住民と協同した海浜清掃及び漂着ゴミ分類調査の実施
- 「海守」をはじめ、東京湾で環境保全活動を行うNPOとの連携強化
- 市民やNPOが行う環境保全活動の発表の場の充実化
4.その他
- 実験的な取組
- お台場における都の水質浄化実験
- 定期フェリーによるモニタリング
- 海洋短波レーダーによる観測
- 海外との交流を検討する
- 行動計画策定後のフォローアップ
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